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低侵襲緑内障手術

低侵襲緑内障手術

01緑内障とは

目の中は「房水」という液体が循環することで圧力がほぼ一定に保たれ、正常に眼球の形が維持されています。この圧力を「眼圧」といいます。一般的な緑内障は、この眼圧が高くなりすぎることで視神経に障害が起こり(緑内障性視神経症)、視野(見える範囲)が狭くなっていく病気です。

多くの場合、自覚症状は末期までほとんどなく知らないうちに病気が進行していることが多いにも関わらず、ひとたび障害されてしまった視神経は残念ながら回復することはありません。視野の維持には早期発見・早期治療がとても大切です。

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早期〜初期の見え方

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中期の見え方

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末期の見え方

02緑内障の種類

原発開放隅角緑内障
房水の排泄する経路の一つである線維柱帯(せんいちゅうたい)が目詰まりし、眼圧が上昇します。ほかの病気が要因ではなく(原発)、隅角が開いている緑内障のことをいいます。このうち眼圧が20mmHg以下の正常範囲にあっても視野障害が進行する緑内障が「正常眼圧緑内障」です。
原発閉塞隅角緑内障
房水の出口である隅角が狭くなり、房水が流れにくく角がふさがっているため、眼圧が上昇します。このタイプの緑内障は慢性型と急性型があり、眼圧が急激に上昇するのを「急性緑内障発作」といい、放置すると数日で失明に至ることもあります。
続発緑内障
眼の炎症など、ほかの眼疾患またはステロイドなどの薬剤や全身疾患が原因で起こる緑内障です。
発達緑内障
先天的に隅角などに異常があるタイプの緑内障です。
まれに、生まれた直後から眼圧が高いため、眼球が大きくなる異常が起こることもあります。

03緑内障の治療の種類

緑内障の治療法には、薬物療法・レーザー治療・手術があります。眼圧を下げることで進行を防いだり、遅らせたりします。

01

薬物療法

ほとんどの緑内障を治療するときの基本は薬物療法です。効果を観察しなから、点眼薬を変更したり、複数の点眼薬を併用したりすることもあります。緑内障の治療薬は眼圧や視野検査、身体の状態によって細かく使い分けられていますので、医師の指導に基づいた治療を行うことが重要です。

02

レーザー治療

開放隅角緑内障では、房水の排泄路である線維柱帯に照射することで房水の流出を促進し、眼圧を下げます。閉塞隅角緑内障では、急性緑内障発作や緑内障の悪化を防止する目的で、虹彩(目の茶色の部分)にレーザーで小さな穴を開けて、房水の適切な循環を促進しますが、ある一定以上進行すると水晶体再建術(白内障手術)が必要なことがあります。

03

手術

薬物療法やレーザー治療を行っても視野障害が進行を防げないと考えられる場合には手術が行われます。

04緑内障の手術の方法

房水の流れを妨げている部分を切開し流路をつくって房水が流れやすくします。手術時間は約30分〜1時間です。ときに手術によって視力がよくなるのではと期待される方がいらっしゃいますが、緑内障の手術は視機能を改善させるわけではなく、あくまでも眼圧を下降させて視機能の悪化を防ぐことが目的で、視力自体は多少下がってしまうことがあります。

緑内障手術の種類

極低侵襲緑内障手術 iStent、iStent inject W
低侵襲緑内障手術 マイクロフック、トラベクトーム、360度スーチャートラベクロトミー
緑内障手術 トラベクレクトミー、Express挿入術
チューブシャント手術 アーメドバルブ
毛様体光凝固術 マイクロパルスレーザー

麻酔の必要性と危険性

疼痛管理のための局所麻酔を行います。

手術中および手術後に起こり得ること

緑内障手術に限らず100%安全を保証されている手術は残念ながらありません。合併症の多くは適切な処置によって問題なく済みますが、予期せぬ出来事が起こらないとも限りません。手術に伴う危険性をしっかりと把握し、合併症が起きた時にはご本人やご家族に状態を説明した上で適切な治療を早急に行います。手術中に処置を追加することや、術後に処置や薬の投与、更に再手術が行われることもあります。

緑内障とその手術に関して説明しましたが、あくまでも一般的な内容であり、患者様それぞれの状態は少しずつ異なります。そのためそれぞれに異なる特別な点については、主治医より追加の説明を受けてください。
また、不明な点がございましたら医師またはスタッフに遠慮無くご相談ください。