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明るい所や青空などを見つめたとき、目の前に虫のようなものや糸くずなどの「浮遊物」が飛んでいるように見えることがあります。視線を動かしてもなお一緒に移動してくるように感じられ、まばたきをしても目をこすっても消えませんが、暗い所では気にならなくなります。
このような症状を医学的に「飛蚊症」といいます。
眼球の中の大部分は、硝子体と呼ばれるゼリー状の透明な物質がつまっています。角膜と水晶体を通して外から入ってきた光は、この硝子体を通過して網膜まで達します。ところが硝子体に何らかの原因で“濁り”が生じると、明るいところを見たときにその濁りの影が網膜に映り、眼球の動きとともに揺れ動き、虫や糸くずなどの浮遊物が飛んでいるように見え、飛蚊症として自覚されます。
飛蚊症には、生理的な原因による「生理的飛蚊症」と病的な原因による「病的飛蚊症」があります。
飛蚊症の多くは、「生理的飛蚊症」であり、治療が必要でない場合も多いですが、「病的飛蚊症」は、重篤な病気である可能性があり、早急な治療を必要とする場合があります。
ご自身の飛蚊症が、生理的なものなのか、病的なものなのか、眼科を受診して原因を知っておくことが大切です。
病的飛蚊症の代表的なものが、網膜剥離・硝子体出血・ぶどう膜炎で、早急な治療が必要です。
その後、硝子体混濁による飛蚊症が改善しない場合、濁りを直接除去する「硝子体手術」を行うことがあります。
生理的飛蚊症の場合、原則的には経過観察で十分ですが、視力に支障をきたす場合や強度の飛蚊症が長期間続く場合は、内服治療を行います。
ビトレオライシスは、浮遊物による視覚障害を解消できる、痛みを伴わない低侵襲性の治療法です。ビトレオライシスは外来治療ですので、入院の必要はありません。
治療は点眼麻酔で行い、1回あたりの所要時間は15~20分です。十分な治療結果を得るには、複数回の治療が必要な場合があります。
ビトレオライシスでは、ナノ秒パルスの低出力なレーザー光を照射して、硝子体の混濁を蒸散するとともに、硝子体索を切断します。同プロセスでは、レーザーエネルギーでコラーゲンとヒアルロニン分子を蒸散(気化)します。
治療中は小さな黒点・影が見えます。これは、浮遊物が小さな気泡へと蒸散されていることのサインですのでご安心ください。これらの気泡は硝子体に再吸収され、すぐに消えます。
飛蚊症の全タイプがレーザー治療に適しているわけではありません。
かくさんした雲・糸状の飛蚊症は、レーザー治療が難しい場合があります。
また、水晶体や網膜に近すぎる飛蚊症、緑内障など他の疾患がある場合は治療対象外となります。
ビトレオライシスの目標は「改善」であり、「完治」ではありません。
一時的に飛蚊症が増加・一時的な目の痛み・かすみ・眼感染症・眼圧上昇
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