Q&A

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ドライアイのせいか、コンタクトレンズをつけると眼が痛くなります。解決策はありますか?

もしもドライアイであることがはっきりしているのなら、ベストの解決策は残念ながら「コンタクトレンズの使用をやめる」ということになります。
というのも、コンタクトレンズとドライアイはとても密接な関係にあります。

一般的にコンタクトレンズをしているとドライアイになりやすく、ドライアイはコンタクトレンズの使用によって悪化しやすいのです。

しかし、メガネをかけると「頭痛や肩こりが起きる」「仕事やスポーツの邪魔になる」「おしゃれの範囲が狭まってしまう」などの理由から、できればコンタクトレンズを使いたいと希望される患者さんも少なくありません。

今回はそのような方のために、ドライアイでもコンタクトレンズを使い続けるための次善策をいくつか紹介したいと思います。

ドライアイは眼の潤いが低下する慢性疾患

まず、ドライアイについて簡単にご説明しましょう。

ドライアイは涙(涙液)の分泌量が減ったり、あるいは涙の質が不安定になったりしたことにより、眼の表面を潤す力が低下して、視機能にさまざまな支障を引き起こす慢性疾患です。

主な症状には、次のようなものがあります。

◆眼が乾いた感じがする ◆眼が疲れる ◆眼が痛い ◆眼が赤くなる ◆眼がかゆい ◆眼に異物感や不快感がある ◆涙や目やにが出やすい ◆光を見ると以前よりまぶしい ◆ものがかすんで見える ◆10秒間、まばたきをせずに我慢することができない

「ドライアイ」という名前のせいか水分の渇きだけがクローズアップされがちですが、眼の表面に位置する角膜や結膜には血管がありません。代わりに酸素や栄養を運んで供給しているのもまた涙です。

涙は涙腺で生成され、油分と水分、ムチンという粘液の3成分のバランスを保つことで質を安定させています。バランスが崩れると涙の質が不安定になり、量が十分でも蒸発しやすくなったり、眼の表面にとどまる力が弱まったりします。

表面を涙で保護されていない眼は傷がつきやすく、こすったり細菌が入ったりすると炎症を起こします。少しの刺激でも敏感に反応し、自然と涙があふれたりすることもあります。これがドライアイのメカニズムです。

ドライアイを悪化させる「3つの“コン”」とは?

ドライアイは年齢を重ねるごとに発症しやすく、女性のほうが男性より罹患率が高いという統計が出ています。それ以外の要素としては、以前から「ドライアイを悪化させる最大要因は、3つの“コン”」といわれてきました。

すなわち、室内の湿度を下げて乾燥させる「エアコン」と、作業中にまばたきの回数が減りやすい「コンピューター」、そして角膜の上に乗って涙を外側と内側に分断してしまう「コンタクトレンズ」の3つです。

このうちコンピューターはパソコン、スマートフォン、タブレット、携帯ゲーム機などのデジタル機器全般を含み、デジタル画面を凝視する作業という意味で「VDT(visual display terminals)作業」とも総称されます。現代の生活では、スマートフォンを使う場面が最も多いのではないでしょうか。

これら3つの要因から眼を守ることは、言い換えればドライアイの悪化を防ぐことにつながります。エアコンの利いた部屋にいるときは湿度設定に気をつけ、加湿器を用いるなどして乾燥を防ぎます。人工涙液やヒアルロン酸製剤などの点眼薬で、外から水分と潤いをプラスするのも効果的です。

点眼薬には、涙の中の水分やムチンの分泌を促進するタイプの治療薬もあります。ただし防腐剤が入っているタイプの市販の点眼薬は、かえって障害を起こしやすくすることもありますので注意が必要です。

スマートフォンなどでVDT作業を長く続けるときは、意識的にまばたきの回数を増やしましょう。まばたきが減ると眼の表面が乾燥し、ドライアイが悪化しやすいからです。

そして視線を転じて別のものを見る時間をつくり、デジタル画面を凝視して疲れてしまった眼を休ませます。閉じたまぶたの上に温かい蒸しタオルを数分間のせると、涙に必要な油分を出すマイボーム腺(まつ毛の内側にある分泌腺)がほどよく刺激されて、ドライアイの症状や眼精疲労からの回復を期待できます。

涙の蒸発量が少ないタイプのコンタクトレンズも

では、コンタクトレンズを使用しながらドライアイの悪化を防ぐには、どうしたらよいのでしょうか。コンタクトレンズは角膜の上にのせて使うものですが、正確には、角膜の表面を覆う涙の上に浮かべるようにのせています。つまり表面から順に涙→コンタクトレンズ→涙→角膜という層になっており、涙は間に入ったレンズに分断されているため、表面を潤すほうの涙の量が少なくて蒸発しやすいのです。

特にソフトコンタクトレンズの素材は、水分を含有する性質があります。涙も吸収して蒸発させてしますので、ドライアイの人には不向きです。

そこで上記の「乾燥」や「まばたきの減少」に対処する方法を日常的に行いつつ、加えて「コンタクトレンズを装用している時間をできる限り短くする」という習慣をもちましょう。これは使い捨てレンズの場合も連続装用タイプの場合も同様です。

それでも眼に痛みなどの症状が起こる場合は、ドライアイの人が使いやすいようにつくられたコンタクトレンズもあります。たとえば、水分の蒸発が少ない素材や、水分となじみやすい素材でつくられたものなどです。

ただし、それらを使用したときの有効性は、患者さんのドライアイの種類や進行度によって一概には決められません。あらかじめ眼科で適切な検査や診断やドライアイ治療を受け、医師に「コンタクトレンズを使いたいのですが」と率直に相談してみることをおすすめします。

【まとめ】
◆コンタクトレンズ装用はドライアイになりやすく、ドライアイはコンタクトレンズ装用によって悪化しやすい。
◆ドライアイで避けたいのは「3つのコン」=エアコンによる乾燥+コンピューターやスマートフォンなどデジタル機器の長時間使用+コンタクトレンズの装用。
◆どうしてもコンタクトレンズを使いたい人はソフトタイプよりハードタイプがベター。