Q&A

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コンタクトレンズの装用には、年齢的な限界はありますか?

基本的に、コンタクトレンズの装用に年齢制限はありません。
下は正しい使用法を守れる小学生ぐらいからが一般的ですが、上は80歳代でも90歳代でも使うことができます。たとえコンタクトレンズの生活が何十年にわたっても心配はいりません。

基準になるのは「年齢」よりも、その人の「眼の健康状態」や「コンタクトレンズをつけたときの違和感・異物感」なのです。

年齢より使用感で判断しましょう

最初に理解していただきたいのは、コンタクトレンズは人体にとってあくまで“異物”だということです。コンタクトレンズは人工呼吸器や透析器と同じ「高度管理医療機器」に分類されています。これは、間違った使い方をすると健康被害が起きたり、機能障害が生じたりするようなリスクの高い医療機器を指します。

長年の技術開発でコンタクトレンズは今日のように、使い心地がソフトで安全性も高いものになりました。しかしそれだけに、正しい使用法を守らないと気づかぬうちに、眼の機能を傷めている可能性もあります。

たとえば眠るときコンタクトレンズを装用したままにすると、角膜が酸素不足になって感染症やドライアイ、眼の充血などを引き起こしやすくなります。コンタクトレンズの汚れは、涙に含まれている油分やタンパク質も原因の一部です。日中ずっと装用していたレンズを外さずに寝れば、それらの汚れが眼の中にとどまって角膜や結膜に傷をつけるかもしれません。

日本コンタクトレンズ協会は、気をつけたい「コンタクトレンズによる眼の病気」として次の4つを挙げています。

◆角膜上皮障害
長時間の装用やレンズの汚れなどによって角膜上皮にトラブルが起きる
◆細菌性・真菌性の角膜潰瘍
  角膜上皮の傷に侵入した細菌やカビが繁殖して潰瘍を生じる
◆アカントアメーバ角膜炎
  レンズに付着したアカントアメーバという微生物が角膜上皮の傷に侵入して視力障害を起こす
◆巨大乳頭結膜炎
  タンパク質などの汚れが原因でアレルギー反応を起こし、結膜にブツブツができて炎症になる

自覚症状のないうちにトラブルが発生していることも

またコンタクトレンズによるトラブルは、すぐに自覚症状となって現われるものばかりではありません。

レンズのケアや、レンズを触るときの手の消毒などを怠っていたりすると、眼に負担が蓄積され、ある日突然「コンタクトレンズを装用しようとしたら痛くて入れられない」という形で現れる場合もあります。

特にソフトコンタクトレンズは角膜の痛みを感じにくいため注意が必要です。

現在、医療機器としてのコンタクトレンズはさまざまなタイプが市販されています。

大きくハードコンタクトレンズとソフトコンタクトレンズの2種類に分かれ、ソフトコンタクトレンズには約1年間使用できる従来のタイプのほか、1日使い捨てタイプ、2週間タイプ、1~3ヵ月タイプなど使用期間の異なるものがあります。また、20年ほど前には老眼に対応する遠近両用タイプも登場しました。

メーカーやブランドごとに、酸素透過性を高めて眼への負担を少なくしたレンズ、水分の蒸発を減らしたドライアイに優しいレンズなども用意しています。
それぞれ適切な使用法やメリット・デメリットの違いがありますので、眼の状態とライフスタイルに合わせて賢く種類を選びましょう。

白内障手術で裸眼生活を取り戻す可能性が

以上のことを考えると、長くコンタクトレンズの生活を続けられる人は、正しい使い方とケア方法でコンタクトレンズの眼への負担を最小限にとどめてきた人が多いのではないでしょうか。

しかし、コンタクトレンズに「年齢制限」はありませんが、患者さんがその使用をやめるきっかけにはいくつかのタイミングがあるようです。
なぜなら患者さん自身の眼の状態が、加齢とともに変化していくからです。

以前は老眼の症状が顕著になったころに、メガネの生活に切り替える人がたくさんいました。遠近両用タイプのコンタクトレンズが発売されてからは、50歳代・60歳代でも使い続ける人が増えています。

代わってきっかけになりやすいのがドライアイです。年齢を重ねると涙の分泌量が減って眼が乾燥しやすく、ドライアイの発症率が増加します。「コンタクトレンズを入れるとゴロゴロするようになった」「眼が痛くて耐えられない」「すぐに涙がにじんでアイメイクが崩れる」といった声を耳にします。さらに高齢になって老眼が進むと、手元のコンタクトレンズが見えづらくなって「つけるのが面倒」と使用をやめる人が出てきます。

けれど同じころ、多くの人は白内障手術を受けることになります。
白内障は高齢になるとほぼ100%の確率で発症する眼の病気で、完治の方法は現在のところ手術を受けるしかありません。白内障で白く濁った水晶体を取り除き、代わりに人工の眼内レンズを挿入して視力を回復させるのです。手術といっても安全性が高く日帰りでも受けられるため、国内だけで年間140万件以上のペースで行われています。

この白内障手術を受けることにより、コンタクトレンズもメガネも使わずに、裸眼でよく見える生活を取り戻す可能性が出てきます。眼内レンズには「単焦点眼内レンズ」と「多焦点眼内レンズ」という種類があり、多焦点眼内レンズはメガネやコンタクトレンズの遠近両用タイプと同じように、遠距離も近距離も見える構造になっているのです。

コンタクトレンズにこだわらなくとも、メガネをかけずに生活するための手段はレーシック手術、ICL手術などほかにも存在します。
眼の健康に負担のかからない方法をよく考えて、大切な視機能を末長く守ってください。

まとめ

◆コンタクトレンズの装用に年齢制限はない。大切なのは「年齢」より「眼の健康状態」と「装用感」。
◆正しい使用法を守らないと眼に負担が蓄積していき、ある日突然「コンタクトレンズを入れると眼が痛くて使えない」ということも。
◆どうしてもメガネを使いたくない人はコンタクトレンズにこだわらず、レーシック手術やICL手術、高齢なら多焦点眼内レンズ使用の白内障手術なども検討を。